コラム

役立ち情報を記載

最近の判例に見るマンションの管理

―マンションに関わる様々なトラブルをいかにして回避するか―

マンションの管理に関する判例は、ニュースで取り扱われることは少なく、よほど注意しなければ知ることは難しいと思います。
しかし、そこでの事例は管理組合の皆さまにも役に立つものが多いと思います。
そこで、マンションの管理に関する5つの判例をご紹介したいと思います。

最近の判例.pdf☆判例スライド、クリックしてください!

<テーマについて>

❶事業用物件の管理費を倍額とする規定及び理事会決議は無効か
平成27年12月、東京地方裁判所での判例です。
[事案の概要]
住民が事務所として使用した場合、理事会決議で管理費の倍増を請求できるとし、被告らも平成24年末までは倍増の支払いをしていたが、その後一切の支払いをしなくなった。
そこで管理組合は、未払い管理費等の支払いを求めて提訴したが、被告は倍額規定は「無効」であるとして、管理費等のうち過払いとなっている分の返還を求めて反訴した。
  〇原告 マンション管理組合
  ●被告 区分所有者(居室を事務所として利用)

❷理事会決議で理事長を解任できるか
平成29年12月、最高裁での判例です。
[事案の概要]
管理組合の理事長を理事会で解任したところ、その解任が総会決議ではないとして、その有効性について争われた。
  〇原告 マンション管理組合の元理事長
  ●被告 マンション管理組合

❸修繕積立金を専有部分の改修に使えるか
平成29年9月、最高裁での判例です。
[事案の概要]
総会で承認された改修工事には、共用部分のみならず専有部分に属する給排水管、ガス管、浴室、トイレ、給湯器、洗濯パン及び洗面化粧台などが含まれ、これを不服とした原告は、
決議が区分所有法30条に違反するとして主張し無効の確認を求めた。
  〇原告 マンションの区分所有者(2名)
  ●被告 マンション管理組合

❹一括高圧受電を拒否したら損害賠償請求を受けた
平成30年3月、最高裁での判例です。
[事案の概要]
総会において、専有部分の電気料金を削減するため、「高圧一括受電方式」に変更する決議が4分の3以上の賛成で可決された。しかし、2戸が従来の契約を解除せず、実現しなかった。
そこで、原告は従来の電気料金との差額を損害と位置づけ、不法行為に基づく損害賠償請求を求めた。
  〇原告 マンションの団地建物所有者(専門委員会)
  ●被告 契約を解約しなかった団地建物所有者(2名)

❺上階から発生する騒音の差止め請求
平成24年3月、東京地方裁判での判例です。
[事案の概要]
分譲マンションに居住する原告が、階上の居室を所有する被告に対し、居室から発生する騒音の差し止め及び損害賠償を求めた。この音は、子供の体重に近い重量物を高さ1m程度から
落下させた時の重量衝撃音に該当し、被告の子の飛び跳ね等によるものと推認できた。
  〇原告 マンション1階の居住者(平成18年3月から居住)
  ●被告 マンション2階の居住者(平成18年4月から居住)


<判決について>

文頭の判例スライド、クリックしてください!をごらんください。
なるほどと頷けるもの、えー!と驚くもの。感じ方は人それぞれだと思います。
マンションでは、時代の変化に伴い、合意形成が難しい重要な課題が増えています。
本日、ご紹介しました判例は決して人ごとではなく、防止するためにはより慎重な判断が必要となります。

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